30年以上、反核平和運動に関わっています。特に関心を払っているのは核兵器廃絶です。
2023年1月に出版された「シン・日本共産党宣言」の中で提案された「核抑止抜きの日米同盟」というアイデアに「これは画期的だ」と思いました。
松竹氏は軍事にも詳しいことから「平和・護憲運動とは距離のある人」と誤解されがちですが、そんなことはありません。世界の動向や日本の国内世論を踏まえて、そのマジョリティと先進的な平和運動との距離をどうやったら縮められるかを考えている
核兵器禁止条約が2017年に締結され、21年に発効しました。24年には日本被団協がノーベル平和賞を受賞しました。
日本の世間において「核兵器はなくすべき」という声は比較的強く、近年の世論調査でも「核兵器禁止条約に参加すべき」が6割前後と出ています。(23年、琉球新報社説 https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1757162.html )
それに対して政治の世界では、「米国との同盟関係があって米国の拡大抑止に頼っている以上、核兵器禁止条約には参加できない」という認識が強くあります。外相として核密約の実態解明に尽力した岡田克也議員でも、「核兵器禁止条約の主審には賛同するが、現時点で拡大抑止は否定できない」としています。(議員ウォッチより https://giinwatch.jp/shu/岡田 克也/ )
では、その日米同盟(安保条約)についての世論はというと、内閣府22年の調査において「日本の安全に役立っている」4割、「どちらかといえば役立っている」5割、あわせて9割と圧倒的です。
https://survey.gov-online.go.jp/r04/r04-bouei/3_chosahyo.html
このギャップをどう埋めるのか、「どういう方向で埋めるのか」が核兵器への日本の関わり方を大きく変えると思います。
核廃絶運動の中で重要なテーマが「核抑止」、「いざという時は核兵器を使うぞ」という恫喝によって敵対相手に攻撃を思いとどまらせようという戦略をどうやめさせていくか、ということです。日本の防衛政策でいう「拡大抑止」とはアメリカの核抑止に頼るということですから、日本にも大いに関係があります。
核抑止は様々な偶発的事象によって破られるリスクがあります。これまで核戦争が起きていないのは単なる幸運でしかありません。また、核保有国同士が互いに牽制する隙間で通常兵器による戦争が行われることもあります。ロシアによるウクライナ侵略はまさにその例です。核兵器によるリスクを下げるためには核廃絶へ、そのステップとして核軍縮へ向かうしかないのです。
松竹さんが提起した「核抑止抜き日米同盟」というあり方、言い換えれば「日米同盟から核抑止を除外する」というアイデアは、実現すれば日本だけでなく世界を変えるポテンシャルがあると思っています。政治家のみなさんに注目してほしい。
一昨年5月に、核廃絶運動で活躍している若手アクティビストの高橋悠太さんと松竹さんの対談が行われました(主催は市民社会フォーラム)。動画がありますので紹介します。
今後も関連する話を書いていきたいと思います
双葉恵
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